説文解字で読み解く倭人記事

説文解字を用いた魏志倭人伝の解説、及び漢書、後漢書、論衡、山海経などの倭人記事の解読を行います。

2020-01-01から1年間の記事一覧

今文経学派による俗説の横行

許慎達古文学派の学者の信奉するテキストは元々孔子旧宅を壊した時に壁の中から出現したといわれるものであった。その出現のいきさつを今文学派の学者たちは"荒唐無稽"で信じられないとして非難し、古文経は劉欽らによって捏造されたものであって、隷書で書…

古文経系儒学者と今文経系儒学者の対立

儒学者が二派に別れた遠因 ⑴古文経系儒学の祖は劉向、劉欽親子である。劉向は漢の高帝の異母弟、楚元王交の四世孫。しかし劉向は「擩子嬰」などと侮られ「漢書」帝紀に入れられなかった。これが今まで共に学んだ儒学者との決別に繫がったと推察する。つまり…

説文解字とは

説文解字とは 最古の部首別字書であり、中国文字学基本的古典。全15巻。後漢の許慎選。 和帝の永元12年(100年)頃に成立。漢字9千余字を540の部首に分類、六書の原理に依り、字形の成り立ちと本義(本来の意味)を説く。 前漢の儒教では五経(詩経・書経・三…